新規事業が思いつかない!から抜け出すアイデア発想のためのフレームワーク5選
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昨今、オンラインの発達やAIの登場によってビジネストレンドは目まぐるしく変化しています。
当然、既存のサービスや営業手法がうまく行かなくなることも起こりえます。
そんな時に立ち止まることなく、柔軟に世間のニーズに答えられるかがビジネスでは重要です。
時代の変化にうまく乗る方法の一つとして、新規事業の立ち上げが挙げられます。
とは言え、新たな発想は簡単には思いつかないもの。
そこで今回は新規事業が思いつかない原因を探りつつ、アイデアがひらめくフレームワークや注目すべき要素、ポイントをご紹介します。
新規事業の立ち上げや既存事業の顧客開拓など、様々な経営課題にご対応いたします。
お悩みの方はぜひ一度、弊社にご相談いただければと思います。
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新規事業が思いつかない原因
多面的な発想が求められる新規事業。
自由な発想を活かせるので楽しいと思う方がいる反面、良い案が思いつかない…と頭を抱えている方も多いです。
新規事業のアイデアを出すことはどうして難題なのでしょうか。
そもそもの原因となる事象の深堀りとその対処法を紐解いていきます。
事業のタネとなる情報不足
大きな原因の一つとして情報の引き出しが少ないことが挙げられます。
皆様も新規事業が思い浮かばない時に「良いアイデアがなかなか出ない…」と感じることが多いのではないでしょうか。
しかし裏を返せば、アイデアのストックや鍵となるヒントがあれば、新規事業のタネとなる案は思い浮かびやすくなるということです。
例えば
- 電車に乗っている時に目にする広告
- 何時も眺めているスマホの記事
- 立ち寄ったカフェのメニュー 等
日常のいたるところに情報がちりばめられています。
何気なく見る景色も情報収集という視点で眺めて見ることで何か得られるかもしれません。
また、気になるセミナーやイベントに参加するのも一つの方法です。
オンラインで無料で参加できるセミナーは多くあるのでうまく活用するのがおすすめです。
現在はSNSで簡単にユーザーのニーズを得ることができます。
本やネットの専門的な記事を閲覧することももちろん重要ですが、日常から情報収集を始めてみてはいかがでしょうか。
ビジネスの基本は、ニーズ・課題を解決すること。
その対価として報酬を得ることでビジネスとしての価値が生まれます。
ですので、新規事業を考える上では、社会のニーズや課題に注目してみると良いでしょう。
アイデアの深堀り、市場分析が出来ていない
ただアイデアや情報をストックしておくだけでは意味がありません。
ふと思いついたアイデアが、そのまま新規事業にまでつながるわけではありません。
情報を集めるだけでは自分のビジネスに落とし込むことは難しいです。
それらの情報を分析することで共通点や成功例、失敗例を見極めることができます。
どうしてその事業アイデアが良いのか、その事業にはどんな価値があるのかなどひたすら自問してアイデアを磨いていきましょう。
突き詰めていった先にあなたの新規事業アイデアの価値が生まれるといえます。
また、自身のアイデアだけでなくその市場にも目を向けるようにしましょう。
時間をかけて考えた新規事業アイデアがすでに存在していた、なんてことはよくある話です。
アイデアの深堀りはもちろん重要ですが、あわせて市場分析を行うことも不可欠といえます。
分析することで、その市場になかった新規事業アイデアが思いつくケースも。
分析リソースが不足している場合は、外部の企業にアウトソーシングする形も一つの方法です。
固定観念にとらわれている
意外と自分では気づきにくいのが「○○はこうあるべきだ」や「××はこういうものだから」などといった固定観念が思考を制限していること。
これらは無意識のうちに自身の思考に染み付いているため厄介です。
自分のいる業界、業種の常識や暗黙のルールなどが固定観念となり、それを逸脱した発想が出来なくなってしまいます。
せっかく思いついた新規事業アイデアも、深く考える前から「できない」と決めつけてしまい、無下にしてしまいかねません。
こうした状況から抜け出すには、まず自分が固定観念にとらわれていることに気づくことです。
具体的には、自身が考えている「~であるべき」を疑いましょう。
また、すでに存在している常識やルールに疑問を持つことも有効な手段の一つ。
これまでにない新規事業はこれまでにないアイデアから生まれます。
自身の固定観念を外して考えることが、新規事業アイデアを出すうえで重要な要素です。
アウトプットの習慣がない
新規事業が思いつかない人に多い共通点が、日常的にアイデアを出していないという点です。
アウトプットの習慣がない人が、どれだけ考えようにも思いつかないのは当然とも言えます。
新規事業アイデアをいきなり出そうとしても、なかなか出せるものではありません。
何事も練習を重ねないと上手くできないのと同じように、アイデアの創出も普段から出すようにアウトプットのトレーニングをしましょう。
もちろん、はじめのうちはイマイチなアイデアばかりが出るかもしれません。
ですがアウトプットが習慣化するにつれ、より洗練されたアイデアが出せるようになります。
いきなりドンピシャなアイデアが出せる人はおそらくいません。
どんなにつまらなくても日ごろからアイデアを出し、トライ&エラーを繰り返していくことでアイデアを出せる思考力が培われていくはずです。
新規事業が思いつかないときに注目すべき4要素
ゼロベースで新規事業アイデアを出すのは、よほどのアイデアマンでない限り厳しいでしょう。
ただ、何もないゼロから考える必要はありません。
アイデアを出す際のきっかけ、足掛かりとなる要素を4つ紹介いたします。
- 既存事業の強みと弱み
- 自社の顧客の意見
- 競合他社の成功事例
- 市場が抱える課題、ニーズ
これらは経営者にとって、身近なものでありながら新規事業を見つけるヒントを与えてくれる強い味方となるはず。
以下を参考にしつつ、新規事業を考えていきましょう。
既存事業の強みと弱み
あなたが会社員、個人事業主であるならば、すでに展開している事業があるかと思います。
その事業の強みはなんでしょうか、また反対に弱みは?
顧客のどんな課題を解決して、どんな課題を解決できないのかを明確にしましょう。
既存事業で課題解決している顧客が次に抱える悩みとは何かに注目することで、既存事業と関連性がある新規事業が出てきます。
逆に現時点で課題を解決しきれていないのはなぜか、何が足りないのかを分析すれば、これまで取りこぼしてきた顧客を取りこめるような事業アイデアが見えてくるでしょう。
新規事業というと、無意識のうちに既存事業と切り離して考えがち。
ですが、自社で行う以上決して無関係なものではありません。
自分が知る最も身近な事業だからこそ、新しいビジネスのヒントが眠っているはずです。
自社顧客の意見
先に述べた既存事業の強み・弱みはあくまで事業者による主観的な目線です。
対して、外側から見た客観的な目線も同じくらい重要といえます。
そういう意味では、すでに関係性を持っている自社の顧客は、ビジネスにおいて意見をくれる貴重な存在です。
「○○ができるようになると嬉しい」「もっと○○が簡単になればいいのに」など、きっと自分では発見できなかったニーズが出てくるかと思います。
どんなビジネスでも実際に利用するユーザー第一に考え、寄り添った設計にすることが大事。
簡単なアンケートやインタビューなどを通じて、顧客のリアルな声に耳を傾けてみましょう。
他社の成功事例
おそらくほとんどの事業において、競合他社は多かれ少なかれ存在するかと思います。
上手くいっている他社事例は分析することで、成功する新規事業のヒントにできます。
また、視野を広げて他業界・他業種の成功事例に目を向けてみるのも一つの手段。
上手くいっている要因を分析・抽象化し、新しい自社の事業に当てはめられないかを考えてみましょう。
成功の要因がシンプルなほど、他の事業に横展開しやすくなります。
このように他社の成功事例はビジネスアイデアの宝庫。
なぜ上手くいっているのか、といった視点が持てるようになれば、自然と新規事業アイデアが思いつくようになるかもしれません。
市場が抱える課題、ニーズ
自社が身を置く市場には今現在どのような課題やニーズがあるでしょうか。
市場は消費者によって構成されるものであり、消費者は常に何かしらニーズを持っています。
ある課題が解決しても新しい課題がまた現れる、というように尽きることはありません。
そんな市場の課題の解決にフォーカスした新規事業は、すでに一定のニーズが期待できることから成功につながりやすいといえるでしょう。
課題やニーズを知るためには市場全体ではなく、消費者の細かい行動に目を向けることが大切。
日常的に感じている悩みなどは意外と表面化せず、課題と気づきにくいケースもあります。
普段から市場の消費者を観察する習慣をつけると良いでしょう。
新規事業が思いつかないときに使えるフレームワーク
アイデアが思い浮かばない時は意外にも「どうせ難しい」と決めつけ、小さなアイデアを見落としているケースがあります。
最初から100%成功する新規事業などありません。
とにかく思い浮かんだ発想そのものを逃がさず、誰かに話してみたり社内で他のメンバーから肉付けを行ってもらうことで新規事業のモデルの完成に繋がることもあります。
ここからは新規事業の具体的アイデアを出すときに役立つワークをご紹介致します。
どれも簡単でデスクで完結するものなので、自分の頭の中を整理する時にも、社内の意見をまとめる時にもオススメです。
ブレインストーミング
思いついた案をどんどんその場に出していくフレームワークです。
付箋やホワイトボードを用いて、あるテーマに沿って言葉を書き出していきます。
この時に重要なのがとにかく数を出すこと。
その為、参加人数が多いほど、参加者の部署や専門知識が異なるほど他種多少なアイデアをその場に出すことができます。
一点注意すべきなのが、相手の意見を否定しないこと。
仮に「それは現実的に無理でしょ」と否定的な意見が出た場合、みんなの思考が固まり、新たなアイデアが生まれにくい状況となってしまいます。
あくまでアイデアを数多く出すことを意識。これがこのワークを有意義なものにする上でのポイントです。
意見を尊重しながらブレインストーミングを進めて行くと、いつもは見逃していたアイデアの発見に期待できます。
例で付箋やホワイトボードを挙げましたが、書き出す媒体はなんでも大丈夫です。クラウドツールを活用することでオンライン上でも実施できます。
KJ法
上記で紹介したブレインストーミングと合わせて活用するのがおすすめなのがKJ法。
断片的な複数のアイデアを紐づけることで問題点や類似点を見つけ出すことができるフレームワークです。
まずはブレインストーミングで付箋やカードにできるだけアイデアを書き出します。
そしてそのアイデアをグループ化し情報を整理します。
よくあるやり方としてはアイデアを書き出した付箋をホワイトボードに貼り付け、似ている内容同士をペンで囲み、グルーピングします。
ランダムで出てきたアイデアを自然かつ論理的に整理でき、かつ情報を可視化できます。
シンプルで手軽にできることから、多くの企業で採用されているフレームワークです。
マンダラート
3×3の表を準備し、真ん中1マスにテーマとなるワードを記載します。
周りを囲む残り8マスにはテーマに関連するワードを書き出していきます。
この時に出た周囲の8つのワードについても同様に新たな3×3の表を用意して関連ワードを出していきます。
完成したときには9×9の81マスの表が出来上がり、最初の1ワードから80個の関連する語句が表れることになります。
マス目上に言葉が並べられる発想法なので見た目的にも整理され、個人ワークとしてもおすすめの方法です。
表があればできるのでスプレッドシートやExcelを活用してオンライン上でも実施が可能です。
オズボーンのチェックリスト
オズボーンのチェックリストとは1940年代に発明家アレックス・F・オズボーンによって考案されたアイデアの発想を助けてくれるフレームワークです。
既存のアイデアや商品に対して9つの視点から問いかけることで、別の視点や改良点を見つけ、新しいアイデアを生み出すのに役立ちます。
9つの質問とは以下の通り。
- 他に代用できるものはないか?(Substitute)
- 何かと組み合わせられないか?(Combine)
- 適応させられないか?(Adapt)
- 修正・変更できないか?(Modify)
- 他に使い道はないか?(Put to other uses)
- 取り除いても問題はないか?(Eliminate)
- 順序を並べ替えられないか?(Rearrange)
- 逆にしてみたらどうか?(Reverse)
- 拡大または縮小できないか?(Magnify/Minify)
この9つの質問を組み合わせて使用することで、既存の枠を超えた新規事業や製品開発のアイデアを生み出すことができます。
特に、発想が行き詰まったときや、視点を変えたいときに役立つ強力なツールです。
6W3H
6W3Hは、アイデア発想や事業計画を考える際に役立つフレームワーク。
ビジネスの要素を整理し、明確にするための方法です。
「5W1H」にさらにビジネス的な3要素を加えたもので、以下9要素で構成されています。
- When(いつ)
- Where(どこで)
- Who(誰が)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
- Whom(誰に)
- How much(いくらで)
- How many(どれだけ)
6W3Hは、抽象的なアイデアを明確にしたり、設計や情報を要素ごとまとめるのに役立つフレームワークです。
6W3Hについては以下ページでも詳しく紹介しています。
新規事業がひらめく発想のポイント
新規事業アイデアをひらめくためのコツは、今ある情報をどう捉え直すかになります。
日常のいたるところに情報はあると先に述べましたが、普段とは異なる視点を持つことで、意外なチャンスが見えてくることも。
新規事業のアイデア出しに思い悩んだときに、実践したい発想のポイントをご紹介します。
日常生活の「不」に注目する
身近な「不便」「不満」「不快」などの「不」に目を向けることが、新規事業のアイデアが思いつくきっかけになることがあります。
たとえば、日常生活で「面倒だ」と感じることや「もっとこうなればいいのに」と思う瞬間をメモに残す習慣を持ちましょう。
あなたが感じている不便が他の人も感じて入れば、それはまだ顕在化していないながらも社会的なニーズといえます。
この小さな気づきが、事業のヒントになっていくのです。
家事の手間を省くアイデアや、待ち時間を減らすサービスなど、日常の課題を解決する視点で考えることで、潜在的なニーズを見つけることができるのです。
持っている情報を組み合わせる
新規事業のアイデアを生み出す際、既存の情報や知識を組み合わせることが重要です。
異なる分野の知識を掛け合わせることで、革新的なビジネスモデルや製品を生み出すことが可能になります。
例えば、飲食業界での健康志向とテクノロジーの進化を組み合わせて、栄養価の高い食事を提供するアプリを開発することが考えられます。
このように、自分が持っている情報を整理し、意図的に異なる視点で結びつけてみることで、新たな発想の種が見つかるでしょう。
また、他の業界の手法やアイデアを取り入れ、自分のビジネスに応用することで新たな独自性を持たせることができます。
ターゲット選定で成功する新規事業に
新しい発想から生み出された新規事業。成長をさせる最大のポイントはターゲットを選定することです。広告運用や販路の選択をする上でも欠かせません。
もちろん、内容次第では、既存顧客層とターゲット層がマッチする場合もあります。
しかし、せっかく生み出した新規事業。
固定概念や今までのやり方に縛られているとターゲット選定やペルソナ設定が誤ってしまう可能性もあります。
新規事業としてスタートさせたサービスは
- どこに売りたいのか
- どのような顧客にメリットがあるのか
- どんな問題点をクリアにできるサービスなのか 等
改めてしっかり明確にしましょう。
新規事業を始めたからには、思い切ってターゲット選定から見直すことが成功のポイントです。
まとめ
新規事業は思いつかない状態が当然です。
いざ事業を始めてみても最初は手探り状態かもしれません。
ですが、しっかり分析を行いしターゲット選定を怠らないことで確実に一歩ずつ進めることができます。
時代の変化に合わせて柔軟に新規事業に挑戦してみてください。
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