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中小企業のための新規企業の進め方 失敗を防ぐ3ステップ

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事業売上UP、新たな販路拡大のために新規事業を考えている中小企業経営者の方は多いのではないでしょうか。
中小企業の強みはそのフットワークの軽さ。予算や稼働工数等の制約はありますが、経営者がGOと言えばすぐにでも新規事業をスタートできるのは中小企業ならではといえるでしょう。

しかしながら、既に進めている事業と平行して新たな事業に踏み出すのは容易ではありません。
どんなに肝いりで始めたとしても「失敗したらどうしよう…」とつい考えてしまうもの。

そこで本記事では、少しずつ着実に新規事業を進めて行く上でのポイントや注目すべき点についてご紹介致します。



中小企業が新規事業を成功させるには

中小企業が新たな試みとして新規事業に参入することで、既存事業ではできなかった市場・顧客へのアプローチも可能になります。結果、売上を増加させ自社を大きく成長させることも。

しかし、手当たり次第や思い付きで新規事業を立ち上げてしまっては、事業成功はおろか会社としても大きな損失になりかねません。 そうした失敗を避けるためにも以下のポイントを踏まえて進めていくといいでしょう。

徹底した市場分析

新規事業を成功させる秘訣は、既にある失敗事例や成功事例を分析することにあります。

ただ、闇雲に情報収集していては切りがありません。適切な情報を集めるためにも

・自身の強みを活かせる新たな市場の有無
・成長が見込める分野
・既存企業のシェア 等

新規事業をスタートさせるにあたってどのようなエビデンスが必要となるのかを予め定めておくことが重要です。
分析したい内容が決まれば、既出の資料を使う事や調査を専門とする企業に外注することも一つの方法です。リソースが不足している場合は特に、どのようにすれば効率よく情報を収集できるかが肝になってきます。

新規事業が失敗する要因の一つとして情報収集不足が挙げられます。地道な作業となることからついおざなりにしてしまう企業も少なくありません。自社の成長を担う新規事業をリリースするためにも、しっかり市場分析を行いましょう。

顧客ターゲットを絞る

新規事業を着実に成長させる上で欠かせないのが顧客ターゲットを絞ることです。どのような顧客に向けてのサービスであるのか、明確にさせることでサービスの内容が定めやすくなります。

「とにかく誰にでも売れればいい」と考えてしまいがちですが、これから育てていく新規事業。
ターゲットを絞らなければ改善点やマーケティング手法の判断を誤ってしまう可能性が高くなります。

どんな年齢層で生活リズムはどのようなもので、どこの場面で自社のサービスに触れることになるのか。そういった具体的なイメージが持てるように、架空の人物を想像する方法「ペルソナ」を設定するのも一つの方法です。

また、顧客層を絞ることで社内メンバーとの目線や認識を合わせる為にも役立ちます。

スモールスケールから始める

経営者としてはせっかくの新規事業を大きく派手にリリースしたい所。
ですが、新たなサービスには改善点やトラブルも付き物です。スモールスケールで始めていた場合、仮に新規事業がなかなか軌道に乗らなくても最小限の損失で留めることができます。
そして、改善点が見えた場合、直ぐに見直しに繋げられるのもスモールスケールから始める事のメリットです。

また、万が一ターゲット層や販売路線を変更するとなった場合も素早く切り替えができます。

仮説を少しずつ立証・見直しをしていくことが新規事業を成功させる最初のステップです。その為にスモールスケールから始めることは最良の方法といえます。



中小企業の新規事業立ち上げに必要なもの

新規事業を明日から立ち上げるとなった場合に、まず何から手を付ければよいのでしょうか。基本的な準備についてご紹介致します。

事業計画書の作成

新規事業を始める場合、資金確保が必要となります。
これから始める事業にどのような展望があり、今後どのように成長していくサービスであるのか。投資家や銀行から信用を得るために事業計画書は欠かせないものです。

ちなみに、事業計画書という名前ですが、規格が定められている書類ではありません。形式には決まりがないです。その為、新規事業の魅力がより伝わりやすい形式を選択し、作成することができます。

さらに、事業計画書は資金調達目的の作成物ではなく、事業を進める上で欠かせない存在です。

社内のメンバー、プロジェクトの協力者と目指す方向性やこれからすべきことの目線を合わせるためにも事業計画書は役立ちます。そして何より、計画がより具体的になるので事業の成功確率が高まります。

事業計画書は新規事業を見える化したものとも言えます。そんなこれからの歩みを記した設計図である事業計画書は一般的に作成まで2~3か月程かかります。新規事業のリリース日を定めている場合は予定を逆算して準備するのも良いかもしれません。

事業フレームワークの構築

フレームワークは日本語で「枠組み」と言います。つまり、事業フレームワークは事業の枠組みを表したもので、新規事業の案やサービス内容を整理するのに有効な図式です。集めた情報や意見も整理がしやすくなるのでサービスへの反映が早いのも活用のメリットです。

また、テキストベースの資料ではなく、事業フレームワークを作成しておくことで、時に社外向けの資料の作成に役立つ場合もあります。

加えて、社内でアイデア出しを行う際にも意見を出しやすく、ホームページ作成にも活用することができます。

個人で事業をされている方であっても自身の頭の中を整理することができるので作成がオススメです。

公的資金の活用

新規事業を始めるにあたって必要となる資金調達。資金調達の方法には銀行からの融資と並び人気の選択肢の一つが助成金・補助金といった公的資金です。
銀行融資と比べ、助成金・補助金は個人や中小企業が受給する前提で作られている制度なので融資を受けやすいです。また、助成金・補助金は返済が原則不要なので心理的負担も大きくありません。

とはいえ、新規事業をスタートさせる際、融資という行為自体に抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、自己資金のみで事業を進めた場合、よほどの資金がなければ限られた範囲での取り組みとなってしまう恐れがあります。
もし成長の機会が訪れた場合に資金不足が原因でせっかくのチャンスを見逃してしまうことも考えられます。

スムーズに事業を進めるためにも資金の調達は必須です。
地方自治体では様々な助成金・補助金の制度がありますので、選択肢の一つとして調べてみるのも良いかもしれません。

新規事業のための補助金・助成金についてはこちらもあわせて参考にしてみてください。

新規事業を始める際に役立つアイデアを出す方法

中小企業が新規事業を始める際、やはり他社にはない発想やアイデアが求められます。ただ、直ぐには名案は思いつかないもの。そんな時に役立つワークをいくつかご紹介致します。

■ブレインストーミング

ブレインストーミングとは会議でのアイデア出しに用いられる手法の事です。特別な用意は不要で、思いついたアイデアをどんどん出していくものです。進め方の一例としては、付箋やホワイトボードを使って参加者全員で思いついた事を書き出していきます。

ブレインストーミングの特徴はできるだけ多くの意見がその場に出ることです。
その為、職種や部署、バックグラウンドが異なる幅広い参加者を募ることでより多角的な視点の意見を一度に見ることができ、ワーク実施の効果が増します。
また、人数も多いほど魅力的なアイデアが出ることが期待されます。「新たな市場を開拓したい」「サービスを売る新たな戦略を練り直したい」そんな時に役立ちます。

今や大学生の授業でも取り上げられる程手軽な手法ですが、進める上での注意点がいくつかあります。ブレインストーミングの実施が良い機会となるためにも事前にチェックをしましょう。

縛りを設け過ぎない

例えば上司から「売上を10倍に伸ばす案を30分で出してほしい」という提案でブレインストーミングが始まった場合、焦りや緊迫感から柔軟な思考がさえぎられてしまう可能性があります。あくまでも思いついたことを「自由に」その場に出せるように空間の設定が大切です。

提案の機会を平等に

同じ人ばかりが提案していてはアイデアが偏ってしまいます。思いつくのが早い人もいればじっくり考えたい人もいるということを念頭に、皆に平等に発言の場を設けましょう。その為には開始時に場をまわすファシリテーターを決めておくこともおすすめです。

アイデアを否定しない

自分が出したアイデアがその場で却下されては余計な不安が巡り、結果的に思考が固まってしまいます。できるかできないかは後で考えるものとして、出たアイデアを尊重することが大切です。今まで無理だと思って見ていなかった新たな視点が生まれることもあります。部署や所属年数といった概念に囚われず素直に意見を受け入れましょう。

■マインドマップ

アイデアや新規事業の内容を整理するのに役立つ方法です。
中心となる言葉とそこから思いつく言葉を線で繋いで連想ゲームのように図を広げていきます。思考を整理できるので新たなアイデアを出すためにも使えます。そして、ゴールを見失うことや話が逸れてしまうことを防げるので事業計画書を書く準備段階としても有用な方法です。

例えば服のブランドを立ち上げてECサイトでの販売をする場合、「服のオンライン販売」という言葉から「ターゲット」「服を着るシーン」「販売方法(受注生産、予約販売等)」という言葉を出し、そこから更に詳細なアイデアを繋いで書き出します。

一つの事柄を深堀ることができるので企画書や提案書の作成にもおすすめです。

■マンダラート(マンダラチャート)

マインドマップとよく似ている手法です。自由に言葉を繋げて広げていくのがマインドマップですが、対してマンダラートは予め3×3の9マスの表を作成し、決まった図の中に言葉を埋めていく方法です。

中心となる四角にはアイデアを広げたい内容を書き、外枠の8コマには思いつくことを自由に書いていきます。さらにその8コマの中から1つ選び、今度はその内容を中心にまた新たな3×3の表を作成しアイデアを広げていきます。

最初は9マスの四角で構成されていたものが最終的には9×9の81コマの表となります。

完成したものは整列されているので視覚的にも整理され、タスクの優先順位を決めやすくなることや、解決すべき問題点が浮き彫りになりやすいです。

Excelの表でも簡単に出来ますし、マンダラート作成用のアプリもリリースされているのでテンプレートを活用するのも良いかもしれません。

アイデア出しに関してはこちらもコラム記事も合わせてご参照くださいませ。

まとめ

中小企業の新規事業の進め方についてご紹介致しました。

市場調査やアイデア出し等、意外と水面下で進めるような余り華やかではない手法が目立つかもしれません。ただ、情報収集やペルソナの設定を初期の段階でしっかり行っておくことでより成功へと繋がります。さらに、事前準備をしっかり行っておくことで、リリース後の軌道修正やサービスの改善を行いやすくなるので失敗をした場合の損失が最小限になります。